PCの起動に時間がかかったり、ゲームのロード中にイライラしたりしていませんか?
もしかしたら、その原因は古いHDD(ハードディスク)にあるかもしれません。
実は、PCの動作速度はCPUやメモリだけでなく、「ストレージ」の性能に大きく左右されます。
PCの動作を劇的に速くする最も効果的な方法、それが内蔵SSDへの換装です。
HDDからSSDに変えるだけで、PCの起動やゲームのロード時間、日々の作業効率を大きく改善できます。
この記事では、内蔵SSDの選び方から用途別のおすすめモデルまで、分かりやすく解説します。
すでにSSDを使っているけれど「もっと快適にしたい!」と考えている方も必見です。
内蔵SSDの選び方
内蔵SSDを選ぶ際、以下のポイントを確認することが重要です。
PCの対応規格を確認する(最も重要)
SSD選びで最も重要なのが、お使いのPCがどのSSD規格に対応しているかを確認することです。
ここを間違えると、せっかく購入したSSDが無駄になってしまう可能性があります。
内蔵SSDには大きく分けて「SATA」と「NVMe」という2つの規格があり、それぞれ接続方法や形状が異なります。
SATA SSD(2.5インチ)
- デスクトップPCの場合、ほとんどのケースで2.5インチベイとSATAポートが備わっています。
- ノートPCの場合、元のHDD/SSDが2.5インチであれば、SATA SSDに換装可能です。
NVMe SSD(M.2)
- M.2スロットの有無
デスクトップPCのマザーボード上、またはノートPCの内部に、M.2スロットがあるか確認します。
多くの場合、メモリと同じような細長いスロットです。
- 接続規格
M.2スロットには、見た目は同じでも「SATA接続」と「NVMe接続(PCIe)」の2種類があります。
SATA接続のM.2スロットにNVMe SSDを挿しても認識しません。
必ずマザーボードやPCの取扱説明書、メーカーのWebサイトで確認しましょう。
- PCIeの世代(Gen3、Gen4、Gen5)
NVMe SSDの速度はPCIeの世代に大きく依存します。
Gen3:数年前のPCやエントリーモデルで一般的です。
Gen4:現在の主流であり、高性能PCで多く採用されています。
Gen5:最新のマザーボードでのみ対応しています。
Gen3対応のマザーボードに、Gen4のSSDを取り付けても問題なく使用できますが、速度はGen3の上限に制限されます。
Gen3とGen4の価格差が縮まっているので、あえてGen3を探すよりも、Gen4を購入しておいた方がトータルでお得になることがあります。
- M.2の長さ
M.2 SSDには「2280」「2260」「2242」といった長さの規格があります(数字は幅22mm、長さ80mm)。
一般的には「2280」が最も普及していますが、PCによっては対応する長さが異なる場合がありますので注意が必要です。
必要な容量を選ぶ
SSDの容量は、PCの用途によって大きく変わります。
不足するとすぐに容量がいっぱいになり、動作が遅くなる原因にもなるため、少し余裕を持った容量選びがおすすめです。
普段使い・ビジネス用:500GB~1TB
Windows OSとOfficeソフト、一般的なビジネスアプリをインストールしても余裕があり、普段使いで最もバランスの取れた容量です。
OSのアップデートなどにも対応しやすく、ストレスなく使えます。
ゲーム用:1TB~2TB
最近のPCゲームは、1タイトルで100GBを超えるものも珍しくありません。
複数のタイトルをインストールしたり、ゲームのアップデートを行うことを考えると、2TBあるとより安心です。
動画編集・大容量データ保存用:2TB~4TB以上
4K動画の編集、RAW画像の現像、3Dモデリングなど、巨大なファイルを頻繁に扱う方にとって、ストレージ容量は作業効率に直結します。
特に動画編集では、プロジェクトファイルや書き出しデータが膨大になるため、作業領域として十分な容量を確保することが非常に重要です。
用途に応じた速度
SSDの速度は、PCの体感速度に直結します。
PCの起動、アプリケーションの立ち上げ、ファイルの読み書き、ゲームのロード時間など、あらゆる場面でその差を実感できます。
普段使い・ビジネス:SATA SSD、NVMe Gen3 SSD
お使いのPCにM.2スロットがあり、SATA SSDよりも少しだけ予算をかけられるなら、NVMe Gen3 SSDも選択肢に入ります。
ゲーム用・動画編集:NVMe Gen3 SSD、NVMe Gen4 SSD
- 予算を抑えつつ高速化したいならNVMe Gen3 SSD
- 最新のゲームや本格的な動画編集で最高のパフォーマンスを追求したいならNVMe Gen4 SSD
最高の性能を追求:NVMe Gen5 SSD
現時点では、NVMe Gen5 SSDを最大限に活用できるのは、特定のプロフェッショナルな用途や、PC性能に一切妥協しないハイエンドユーザーが中心となります。
【SATA SSD】おすすめの内蔵SSD
キオクシア EXCERIA SATA SSD 480GB
キオクシア EXCERIA SATA SSDは、PCのHDDからのアップグレードに最適なSATA SSDです。
インターフェイス | 読込速度 | 書込速度 |
---|---|---|
SATA 6Gb/s | 555MB/s | 540MB/s |
Crucial BX500 1TB
Crucial BX500は、PCの起動ドライブとして、また大容量データの保存用としても、性能と価格のバランスが取れたSATA SSDです。
インターフェイス | 読込速度 | 書込速度 |
---|---|---|
SATA 6Gb/s | 540MB/s | 500MB/s |
【NVMe SSD】おすすめの内蔵SSD
Crucial P310 500GB
Crucial P310は、速度とコストパフォーマンス、そしてPS5との互換性を備えた、Gen4 NVMe SSDです。
インターフェイス | 読込速度 | 書込速度 |
---|---|---|
PCIe Gen4 | 6600MB/s | 3500MB/s |
キオクシア EXCERIA PLUS G3 1TB
キオクシア EXCERIA PLUS G3は、Gen4 SSDとしての十分な性能と、キオクシアの高い信頼性を兼ね備えた、バランスの取れた製品です。
インターフェイス | 読込速度 | 書込速度 |
---|---|---|
PCIe Gen4 | 5000MB/s | 3900MB/s |
キオクシア EXCERIA PLUS G4 1TB
キオクシア EXCERIA PLUS G4は、最新のGen5に対応した超高速SSDで、ゲームやクリエイティブな作業など、非常に高いパフォーマンスを求めるユーザーに最適なモデルです。
インターフェイス | 読込速度 | 書込速度 |
---|---|---|
PCIe Gen5 | 10000MB/s | 7900MB/s |
Samsung 990 EVO Plus 2TB
Samsung 990 EVO Plusは、ゲーム、クリエイティブな作業、そして一般的なPCの高速化まで、幅広い用途で優れたパフォーマンスと信頼性を発揮する、バランスの取れたNVMe SSDです。
インターフェイス | 読込速度 | 書込速度 |
---|---|---|
PCIe Gen4/Gen5 | 7250MB/s | 6300MB/s |
Western Digital WD Black SN8100 2TB
Western Digital WD Black SN8100は、現在のSSD市場における最高峰クラスの性能を持つ、最新のGen5に対応したNVMe SSDです。
インターフェイス | 読込速度 | 書込速度 |
---|---|---|
PCIe Gen5 | 14900MB/s | 14000MB/s |
Western Digital WD Black SN7100 4TB
Western Digital WD Black SN7100は、大容量かつ高速なストレージを求めるゲーマーやクリエイターにとって、非常に魅力的な選択肢です。
インターフェイス | 読込速度 | 書込速度 |
---|---|---|
PCIe Gen4 | 7000MB/s | 6700MB/s |
まとめ
今回は、【用途別】内蔵SSDの選び方とおすすめモデルを解説しました。
PCの動作が遅いと感じているなら、SSDへの換装は最も費用対効果の高いアップグレードの一つです。
HDDからSSDへの乗り換えはもちろん、すでにSSDを使っていても最新のNVMe Gen4やGen5 SSDにすることで、ゲームのロード時間短縮やクリエイティブ作業の効率化など、さらなる快適さを手に入れることができます。
内蔵SSD選びのポイント
- PCの対応規格を確認する(最も重要)
- 必要な容量
- 用途に応じた速度
3つのポイントを押さえることで、あなたの用途にぴったりの最適なSSDが見つかるはずです。