PCの調子が悪くなった時、どうすればいいか迷いますよね。
そんな時によく聞くのが、「インストールメディア」と「回復ドライブ」という言葉です。
これらはどちらもPCのトラブル解決に役立ちますが、その役割はまったく違います。
この2つの違いを理解しておくことで、いざという時に慌てずに済みます。
この記事では、それぞれの用途と特徴をわかりやすく比較し、あなたのPCに必要な備えを明確にします。
インストールメディアとは?
インストールメディアは、Windows OSをクリーンインストールするために使用するツールです。
USBフラッシュドライブまたはDVDに作成します。
PCに問題がない状態でも、新しいPCにWindowsをインストールしたり、OSを完全に初期化したい場合に利用します。
主な用途
- Windowsの新規インストール
- Windowsのクリーンインストール(完全に初期化して再インストール)
- 起動できないPCのトラブルシューティング(修復機能の利用)
特徴
- どのPCでも使用可能です。
- Microsoftの公式サイトから誰でも無料で作成できます。
- インストール時にパーティションの作成や削除が可能で、PCの構成を自由に設定できます。

回復ドライブとは?
回復ドライブは、現在のWindowsの回復環境をバックアップするためのツールです。
USBフラッシュドライブに作成します。
PCが正常に起動しない場合に、システムの修復やリセット、トラブルシューティングを行うために使います。
インストールメディアとは異なり、Windowsのクリーンインストールはできません。
主な用途
- 起動しないPCのトラブルシューティング
- システムの復元(以前の状態に戻す)
- PCのリフレッシュまたはリセット(個人用ファイルを残してWindowsを再インストール)
特徴
- 基本的には作成したPCでのみ使用することが推奨されています。
- インストールメディアに比べて、PCのデータを保護しながら修復することに特化しています。

インストールメディアと回復ドライブを比較
比較項目 | インストールメディア | 回復ドライブ |
---|---|---|
主な目的 | Windowsの新規/クリーンインストール | 現在のPCの修復と回復 |
内容 | Windows OSのフルセット (インストールに必要な全データ) | Windows回復環境、PC固有のドライバー、アプリデータなど |
作成方法 | Microsoftの公式サイトから「メディア作成ツール」をダウンロードして作成 | Windowsの検索窓で「回復ドライブ」と入力し、表示されるツールで作成 |
作成に必要なもの | 8GB以上のUSBメモリまたはDVD | 32GB以上のUSBメモリ |
利用できるPC | どのPCでも利用可能 | 基本的に作成したPCでのみ利用 |
再インストール | 可能 (完全初期化) | 不可 (PCのリセット・リフレッシュは可能) |

まとめ
今回は、インストールメディアと回復ドライブの違いを解説しました。
それぞれの役割を理解することで、PCトラブルが起きたときも冷静に対処できます。
インストールメディア:Windowsをクリーンに再インストールしたい時
回復ドライブ:今のPCを修復して元の状態に戻したい時
万が一のトラブルに備えるためには、まず「回復ドライブ」の作成が最も手軽で効果的な対策です。
PCが正常なうちに、ぜひ一度作成しておきましょう。
そして、OSを完全に初期化したい時や、別のPCにも対応できるようにしたい場合は、「インストールメディア」も準備しておくのがおすすめです。